社会不安障害は、どんな人にでも起こりうる心の病です。「社会不安障害が原因で現在の仕事を続けるのが難しい」と悩む人は決して少なくありません。そこで本記事では、社会不安障害の方が働きやすい仕事・職種について詳しく紹介します。社会不安を生涯を抱える方が仕事の相談をできる機関もまとめて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
社会不安障害の症状と直面しやすい困りごと
社会不安障害(社交不安障害/SAD)とは、人前で注目されたり評価されたりする状況に対して、過度な不安や恐怖を感じる精神疾患です。会話や会議での発言、プレゼン、電話対応、接客、外食やレジでのやり取りなど、日常的な場面でも強い緊張が生じ「恥をかくのではないか」「変に思われるのではないか」といった考えにとらわれやすくなります。その結果、顔が赤くなる、声や手が震える、動悸や腹痛、涙が止まらないといった身体症状が現れることもあります。原因は一つではなく、過去の失敗体験、性格傾向、育った環境などが複雑に影響し合って発症すると考えられています。
症状の程度や現れ方には個人差がありますが、不安が長期間続くことで、日常生活や仕事に大きな支障をきたし、休職や退職に至るケースも少なくありません。
仕事における困りごと
仕事においては、人前で話すことへの恐怖、会議やプレゼンへの強い苦手意識、電話対応や接客など不特定多数とのやり取りへの不安が代表的な困りごとです。また、周囲の視線を過剰に意識して集中力が続かなかったり、小さなミスを必要以上に気にして作業が進まなくなったりすることもあります。さらに、急な予定変更や臨機応変な対応が求められる場面では強い混乱や恐怖を感じやすく「段取り通りに進まないこと」自体が大きなストレスになります。
こうした不安や緊張が積み重なると、仕事のパフォーマンス低下だけでなく、自己否定感が強まり「働き続けるのが怖い」「自分には無理かもしれない」と感じてしまうことも多いです。社会不安障害は本人の意思や努力だけで克服するのが難しい場合も多く、周囲の理解や適切な支援が重要な障害です。
社会不安障害の方が働きやすい仕事・職種
社会不安障害(社交不安障害/SAD)のある方が長く安心して働くためには、不安や苦手な場面をできるだけ減らし、自身の特性に合った仕事や職場環境を選ぶことが重要です。特に、急な予定変更が少ないルーティンワークであること、自分のペースで作業を進められること、静かで落ち着いた環境であること、人前で話す機会や初対面の人とのやり取りが少ないことなどは、働きやすさにつながる大きなポイントとなります。コツコツと集中して取り組める仕事
まず、コツコツと集中して取り組める仕事として、データ入力、書類のスキャンや仕分け、文書管理、清掃スタッフ、軽作業(シール貼り・検品)、倉庫内作業などが挙げられます。これらの職種は会話が少なく、一人で黙々と作業できるため、緊張や不安を感じにくいのが特徴です。障害者雇用枠や特例子会社でも求人が多く、配慮を受けながら働きやすい点も魅力です。
静かな環境で働ける仕事
次に、静かな環境で働ける仕事として、図書館スタッフの裏方業務、工場での検品・検査、文書管理やファイリング、備品管理・チェックなどがあります。作業手順が決まっており、突発的な対応や対人コミュニケーションが少ないため、音や人の気配に敏感な方でも比較的落ち着いて働くことができます。自分のスキル・得意分野を活かせる仕事
さらに、自分のスキルや得意分野を活かせる仕事も社会不安障害のある方に向いています。画像チェックや文字校正、Webライター、イラスト制作・デザイン補助、プログラミング、経理補助などは、非対面でのやり取りが中心で、在宅勤務が可能な求人も多く見られます。人との直接的な関わりが少ないため、不安の負担を抑えつつ、自分の能力を発揮しやすい仕事といえるでしょう。
社会不安障害の方が仕事の相談をできる機関
社会不安障害(社交不安障害/SAD)のある方は「働くのが怖い」「将来が不安」「制度がよく分からない」といった悩みを一人で抱え込みやすい傾向があります。そのため、不安を感じたときには、専門の相談機関や支援サービスを活用することが大切です。就労移行支援
代表的な支援の一つが就労移行支援です。就労移行支援は、障害や体調面に不安のある方が自分のペースで働く準備を進められる福祉サービスで「ブランクがある」「どんな仕事が向いているかわからない」といった悩みにも寄り添った支援を受けられます。自治体の手続きは必要ですが、障害者手帳がなくても利用できる場合があり、社会不安障害の診断があれば対象になることも多く、働くことへの不安が強い方でも安心して利用しやすい点が特徴です。