就労移行支援と就労継続支援A型・B型は、障がいのある方の就労を支える福祉サービスで、障がい者総合支援法に基づいて提供されています。名称は似ていますが目的や内容は異なるので、違いを正しく理解することが大切です。本記事では両者の違いを比較するとともに、それぞれの特徴を詳しく紹介します。
就労移行支援と就労継続支援A型・B型の違い
就労移行支援と就労継続支援A型・B型の大きな違いは、支援の「目的」にあります。就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方を対象に、働くために必要な知識やスキルを身につける訓練の場を提供し、履歴書の作成や面接対策などの就職活動全般を手厚くサポートするサービスです。実際に働く場ではないため、利用中に収入を得ることはできませんが、就職に向けた準備を安心して進められる点が特徴です。一方、就労継続支援A型・B型は、体調や障がいの特性などから一般企業での就労が難しい方に対し、働く場そのものを提供することを目的としています。
日々の作業を通じて働く経験を積みながら、必要に応じて就労に関するスキル習得を行いますが、就労移行支援ほど就職活動に特化した支援は多くありません。そのため、将来的に企業就職を目指す場合は、勤務時間外などを使って準備を進めることになります。
就労移行支援の特徴
就労移行支援とは、一般企業への就職を目指す障がいや難病のある方に対して、就職に必要な知識やスキルを身につけるための職業訓練や職場体験、就職活動全般のサポートを行う福祉サービスです。実際に働く場ではなく、あくまで就職準備を目的とした支援であるため、安心して段階的に就労へのステップを踏むことができます。週1回や短時間から通所を始められるため、体調や生活リズムに配慮しながら無理のないペースで就職活動の準備を進められる点も大きな特徴です。
支援対象
対象となるのは、一般企業への就職を希望している方で、障がいや難病の診断を受けている方、原則65歳未満の方です。条件を満たせば、65歳以上の方や休職中の方、大学生・専門学生の方でも利用できる場合があります。また、障がい者手帳を持っていない場合でも、医師の診断書などにより利用できるケースがあります。
利用期間
利用期間は原則2年間と定められており、その期間内であれば事業所の変更や再利用も可能です。ただし、2年を超えて利用したい場合は自治体への申請が必要で、就職の見込みがあると判断された場合に限り、最長1年間の延長が認められます。
受けられるサポート
就労移行支援事業所では、職業訓練や職場体験を通じたスキル習得、応募書類の添削や模擬面接などの就職活動支援、本人の適性に合った求人の開拓・紹介、就職後の定着支援まで幅広いサポートを受けることができます。全国に3,000か所以上ある事業所はそれぞれ特色があり、ビジネスマナーやメンタルケアに力を入れている所や、IT分野など専門職に特化した所、障がい特性に配慮した支援を行う所など、自分に合った環境を選ぶことが重要です。就労継続支援A型・B型の特徴
就労継続支援A型・B型とは、一般企業への就職が難しい障がいのある方に対して、働く場そのものを提供する福祉サービスです。就労移行支援のように就職準備を主目的とするのではなく、日常的に作業や仕事に取り組みながら、無理のない形で就労を継続できる点が特徴です。就労継続支援には、事業所と雇用契約を結んで働くA型と、雇用契約を結ばずに利用するB型の2種類があり、いずれも利用期間に制限がなく、長期的に利用することができます。
A型事業所について
A型事業所では、利用者が事業所と雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の賃金が保障され、勤務条件に応じて各種社会保険に加入できる場合もあります。働き方は一般就労に近い形ですが、障がい特性に配慮した支援を受けながら働けるため、安定した就労につながりやすい点が魅力です。労働時間は週20時間以上となる事業所が多く、時短勤務からスタートし、将来的には一般就労やフルタイム勤務を目指すことも可能です。対象者は、就職活動を行ったものの雇用に結びつかなかった方や、就労経験はあるが現在は働いていない方などで、条件を満たせば65歳以上の方も利用できます。
B型事業所について
一方、B型事業所では雇用契約を結ばず、作業の成果に応じて「工賃」という形で報酬を受け取ります。最低賃金の適用はないため収入は少なめですが、体調や生活状況に合わせて勤務日数や時間を柔軟に調整でき、自分のペースで働ける点が大きな特徴です。就労の場としてだけでなく、一般就労やA型事業所へのステップアップを見据えたリハビリ的な利用をする方も多く見られます。対象者には、年齢や体力の面で一般就労が難しい方や、一定の条件を満たし支援機関から利用が適切と判断された方が含まれ、年齢制限は設けられていません。